ジャンル:アクション
原題:急先鋒/VANGUARD
製作年:2020年 製作国:中国 / 香港
監督:スタンリー・トン
出演者:ジャッキー・チェン / ヤン・ヤン / アイ・ロン / ムチミヤ
上映時間:107分
トン(ジャッキー・チェン)率いる特殊護衛部隊ヴァンガードは国際的規模でセキュリティーサービスを提供するチーム。そのクライアントである実業家チン(ジャクソン・ルー)が、ロンドンのチャイナタウンで誘拐されてしまう。救出のために派遣されたヴァンガードのロイ(ヤン・ヤン)やチャン(アイ・ロン)らは、ビジネスパートナーのマシムが中東過激派の首領であることに気付いたチンが、そのことをロンドン警察に伝えたことが事件の背景にあると知る。
プロジェクトも色々とやっているので、私も何作目か分からなくなったくらいなんですけど、
要は、凄くアクションを見せる映画なんですよね。
次から次へのアクション、信じられないくらいのアクションをこれでもかって見せるんです。
CGとかではなく生身というのが凄いですよね。ホントにみんなが体一本でやっていると。
やはりアクション映画は、そこを見るべきと思うんですよね。
ジャッキー映画の魅力といえばアクションありコメディありですけど、さすがのジャッキーも歳には勝てない悲しい現実かな。アクションはほぼ若手に任せて、ジャッキーは完全にコミックリリーフ的な立ち位置にまわっていました。
―と、言っても、水上バイクのシーンは凄かったですね!
お約束のNG集で分かったことなんですが、死にかけたみたいですよ。
いつまでもスタント無しで体を張り続けるジャッキーに拍手を送ります。
ジャンル:ホラー
原題:BUTCHERS
製作年:2020年 製作国:カナダ
監督:エイドリアン・ラングレー
出演者:サイモン・フィリップス / マイケル・スワットン / ジュリー・メインヴィル / アン=カロリーヌ・ビネット
上映時間:92分
人里離れた村に暮らすワトソン一家は道に迷った人々を拉致し、捕らえた男は食料に、女は繁殖のための道具として扱っていた。あるときドライブ旅行に出かけた男女4人の若者たちは、車が故障して立ち往生してしまう。やがて、彼らを獲物として狙っていたワトソン一家の襲撃が始まり、逃げ惑う若者たちを捕らえ、監禁していく。
またしても、タイトルホイホイな映画です。
本作、タイトルからして香ばしいですよね。
なんたって、「人肉村」ですからね(爆)
「人肉」と「村」って、ご飯と明太子ぐらい相性がいいじゃないですか。
監督はカナダの若手のテレビ演出家として活躍しているエイドリアン・ラングレーという方なんです。お初です。今回ホラー映画は初めて手掛けられたようです。
この方、本作の製作・監督・脚本・撮影・編集を一手に手掛けられているみたいなんですよ。
人肉にかける意気込みが凄くて好感が持てます。ププッ
閉塞されたエリアに迷い込んだ若者たちが、そこに住んでいる頭のおかしい人たちに酷い目に遭わされるという・・。まぁ、この手の映画は色々ありますよねぇ。
ツーリスト・トラップものというんでしょうか、定番のストーリーですよ。
1番有名なのは、何と言っても―
『悪魔のいけにえ(1974)』
他には―
『サランドラ(1977)』
とか 、そのリメイク作品である―
『ヒルズ・ハブ・アイズ(2006)』
あと―
『クライモリ(2003)』
なんかもありますよね。
本作はこれらの作品から大いなる影響を受けていると思われます。
というか、パクリまくっています。(滝汗)
こういう映画に期待するのはグロ描写だと思うんですけど、その点についてはかなりマイルドです。
頭のおかしいおっさんが、ナタを使って人体をバラバラに損壊するシーンがあるんですけど、ナタを振り下ろすだけで、肝心の人肉は画面には出てきません。人肉を食べる描写もありません。
そうなると残された要素は、殺人鬼兄弟の狂気っぷりとなるわけですけど、こちらはなかなかいい感じに仕上がっていました。
この4人組以外にも拉致して孕ませられていた女性もいたんですね。
で、兄弟2人だけだと思っていたら、いとこの叔父さんや凶暴で奇形で頭のおかしい三男も存在していたと。外国の田舎ホラー(限界村落)=必ず一人は奇形なんですね・・・
本作は、全ての登場人物に少しも華がないんですよねぇ。
あの兄弟も普通にしていたらそこらの普通の人と全く変わりませんし。
しかし、ただの駄作とは捨てきれない妙な味わいがあったような・・なかったような・・
まぁ、タイトルに「人肉」がついた時点で地雷だということはわかってはいたんですが。
「人肉」に「村」ですからね。「村」っていうフレーズも結構萌えるじゃないですか。(爆)
ジャンル:サスペンス
原題:HARPOON
製作年:2019年 製作年:カナダ
監督:ロブ・グラント
出演者:マンロー・チェンバーズ / エミリー・タイラ / クリストファー・グレイ
上映時間:82分
彼女のサーシャを取られたと勘違いし、親友のヨナを殴ってしまうリチャード。お詫びにボートの日帰り旅行を計画するが、船の上で再び口論に発展してしまう…。
【未体験ゾーンの映画たち2021】
友情ってなんだろう…
アリストテレスによれば友情の種類は3つあると。
1. 実用性重視の友人 (同僚といった利用価値がある友達)
2. 一緒にいるだけで楽しい仲間との友情 (気が合う友達やセフレ)
3. 親友 (尊敬し合える友達との友情)
本作は、そのどれにも当てはまらない時を超えた友情なんだそうです。
昔親しかった友達が別々の人生を歩み、それでも本質は変わらず 結局は・・・って。
ナレーションの方がずっと説明されていました。
分かるような・・分からないような・・ww
さらには登場人物であるヨナ、リチャード、サーシャの3名全てのバックボーンまでもナレーションで懇切丁寧に説明してくれるんですね。
ヨナは両親が多額の借金をして亡くなり、返済後の僅かに残った金を娼婦に全額持ち逃げされるという貧乏で冴えない男。
リチャードは、超金持ちなんですが、すぐにキレる。メールアカウントのパスワードを忘れたくらいでブチギレてパソコンをテレビに向かって投げるレベルの沸点の低さ。
本作の冒頭でもいきなりヨナを血だらけになるまでボコボコに殴っていましたし、父親共々「殺し」をやっているんじゃないか…という噂も。
この2人の仲裁役がリチャードと3年付き合っている彼女サーシャ。怖くてリチャードと別れられないでいる。
男2女1で構成される親友三人組が極限状況に追い込まれてどろどろした事実が暴かれていく話で面白い!!これはなかなかの拾いものでした。
船のエンジンがかからなくなり漂流!
そして海のジンクスのあれこれもダメだったで、この3人は最初から悪運を招いていたんです。
・連休前の金曜は出航する船が少ない
(それもキリストが磔にされた金曜の出向は最悪)
・リチャードが左足から乗船したのも悪かった
・赤毛が乗るのも悪運を呼ぶ
・アホウドリの像を投げ捨てたのも大問題
(海で亡くなった霊を慰める像)
・黒いバッグは死と海底の闇を意味する
・バナナも色々な意味で悪い予兆だ
出だしから最悪じゃないですか。(苦笑)
一度芽生えた不信感は極限状態下では殺意に変わるんですね。
お前さえ死ねば!あなたさえ死ねば!
生き抜くためには誰かが犠牲(食料)にならなければならないシチュエーション。
「リチャード・パーカー」という名前と、それにまつわる史実がこの映画のカギです。
『ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日(2012)』を観ていれば、よりこのハープーンが楽しめると思います。船、遭難、ケガなどシチュエーションはそっくりです。
まぁ、この作品は悲劇ではなくサイコホラーですが…
最後のどんでん返しが思いもよらない角度からのもので、「え、怖っ!」と。
しかし、気に入らない奴とはいえ、始末するためにここまでする?
喉の渇き、飢え、自分の怪我を負った手は腐っていって死の間際状態なのに。
リスクが大きすぎるという問題以前でしょう。
まぁ、ここは一つ、耐えに耐えて金持ちのボンボンにすり寄って生きていた男の必死の執念の行為ということで。
“海は全ての悪事を見てる”
いやぁ、ラストは最高!!まったく予想できませんでした。
ジャンル:アクション
原題:FAST & FURIOUS 9/F9
製作年:2020年 製作国:アメリカ
監督:ジャスティン・リン
出演者:ヴィン・ディーゼル / ミシェル・ロドリゲス / ジョン・シナ / タイリース・ギブソン
上映時間:143分
レティ(ミシェル・ロドリゲス)と幼い息子のブライアンと共に穏やかに暮らすドミニク(ヴィン・ディーゼル)の前に、実の弟ジェイコブ(ジョン・シナ)が刺客となって現れ、次々に攻撃を仕掛けてくる。かつての宿敵サイファー(シャーリーズ・セロン)ともつながるジェイコブは、ある恐ろしい計画を実行しようとしていた。彼らの陰謀を阻止するため、ドミニクはファミリーと一丸となって立ち向かう。
本作シリーズも長いですよねぇ。
私は、『ワイルドスピードMEGA MAX(2011)』 と 『ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019)』 の2作品しか観ていないんです。
もしかしたら一作目を観ているかもしれない・・・という曖昧な記憶があるにはあるんですけど、全然覚えていないので、観てないも同然です。
本作も予告編の迫力があまりにも凄かったので鑑賞した次第です。
ド迫力のカーチェイスが楽しめるならストーリーなんてどうでもいいかなぁと思って。
とにかくアクションシーンだけでお腹いっぱいになるまで楽しめるので、まぁ、ここまでくると多少ストーリーなんてどうでもよくなっちゃいますね。
なんといっても、2作品しか観ていないので主人公ドミニクのファミリーの事をほぼ知らないんですから。
以前、死んだと思われていたファミリーの一人が実は生きていたという体で登場してくるんですけど、ファンの皆さんにとっては衝撃的なことでしょうけど、私にとっては「誰?」って思いましたねぇ。しかし、なんか・・う~っすら記憶にあるような気がしないでもないんですよねぇ。
ただ、この演出は門外漢の私からすると安直だなぁ・・と思ってしまいました。
一度殺したキャラクターが、その後の人気投票かなんかで、人気があったということが分かったから、ここは復活させよう―みたいな。当時は復活は想定されていなかったんじゃないんでしょうか。 知らんけど。
そして、この映画の特徴なんですけど、アクションや展開が荒唐無稽なんですよ。
荒唐無稽はいいんですけど、この荒唐無稽感があまりにもやり過ぎてしまうと、せっかくのスリルが台無しになってしまうもんだなぁと改めて気づかされました。
本作シリーズではおそらく車が空を飛んだり、海に潜ったりと今までしてきたんでしょうね。
だから今作で車を使ってとんでもないアクションを見せようと思ったら、もう宇宙に行くしかないわけですよ。車にジェットエンジンを積み込んで、宇宙に飛び出すって凄いなぁーと思ったんですけど、それを実際映像にしてみて観ると、案外つまらないんですよね。やはり車って道を走っているからいいわけで、宇宙に行くと別にスリル、サスペンス、緊迫感がないんですよねぇ。
まっ、そもそも宇宙まで行ってしまうと「あ~この2人は絶対に死なない安全装置がついているんだなぁ」ってコチラも確信してしまって、その後の展開がどうでもよくなるっていうか・・・。
キャラクター同士の掛け合いは面白かったんですけど、まぁ、このバカっぷりが楽しさなのかもしれませんが・・。私としてはギリギリのリアルの中での荒唐無稽アクションにとどめてほしいかなと思うとこなんですね。
もう、宇宙空間にまで飛び出してしまうと完全に漫画の世界にいってしまうんですよね。
正直、宇宙空間のカーアクションよりもヨーロッパの風格ある街並みを車でブッ飛ばして装甲車が周囲の建物を蹴散らしながら展開されるカーアクションの方が観ていて楽しいと思うのは私だけ?とにかく、アクションは凄い!これにつきます。
人間ドラマはどうかというと、いたって普通なんですよ。色んなキャラクターが出てきて、それぞれ、それなりに魅力的に描かれてはいるんですけど、おそらくシリーズを観ていないので彼らに対する思い入れが薄いからなのかもしれませんけどね。
あと、シャーリーズ・セロンが出てきたんですけど、なんなんですかね、あの人?(爆)
凄い重要人物的な登場をしてきたんですけど、本作ではあんまり意味なくない?と思いましたがどうなんですかね。
あと、日本(東京)のシーンが出てくるんですけど、外国人が勘違いしている日本の風景のデザインって結構、私はツボなんですよ。リアルな日本なんか別にどうでもよくって、こういうベタな勘違い日本って「またか」って笑えます。
そして、長いエンドロール途中で次回作を暗示するおまけ映像が出てきます。
☆これまでに観たワイルド・スピードシリーズ
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ジャンル:パニック
原題:CONTAGION
製作年:2011年 製作国:アメリカ
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演者:マリオン・コティヤール / マット・デイモン / ローレンス・フィッシュバーン / ジュード・ロウ
上映時間:106分
ミッチ(マット・デイモン)の妻・ベス(グウィネス・パルトロー)は、香港への出張後にシカゴで元恋人と密会していたが、咳と熱の症状が出始める。同じころ香港、ロンドン、東京で似たような症状で亡くなる人が続出。フリージャーナリストのアラン(ジュード・ロウ)は、伝染病ではないかと考え始め……。
本作が日本のみならず世界中で今、注目されているということでレンタルして観ました。
10年も前の映画なのに、まさにコロナの今を予言したみたいに超リアルなんですよね。
それがかなり詳細にわたっている訳なんです。
ベスを演じるグウィネス・パルトローさんはいつも幸薄いというか、だいたいろくな目に遭わない女性を演じているイメージの女優さんなんですが、今回も散々な目に遭いますね。
なんといっても、彼女がアメリカにウイルスを持ち込んだ最初の人なんですよ。
(コウモリ→豚→その豚を捌いていた料理長と握手)
彼女は症状が出てから2日後に亡くなってしまうんですね。
で、ベスの夫マット・デイモン演じるミッチなんですが、最悪なことに幼い息子も発症して亡くなってしまうんですよ。
新型ウイルスであることが後に分かるんですけど、その頃には驚異的な速さで感染が広がっていくんです。
まさに私たちが経験した買い占めとか医療崩壊が起きているんですね。
例えば買い占めの騒動シーンは、本作ではデマで出まわったレンギョウを求めてパニックになりますけど、リアルの日本ではマスクでしたよね。
日本中のドラッグストアーやスーパーでマスクを求めて買えなかった客が怒鳴ったり、店側もパニックを恐れて販売を制限していましたよね。
今までたいして見向きもされなかったマスクにとんでもない値段がついて転売屋が大儲けしていましたよ。
他にもソーシャルデスタンスが描かれていました。
クシャミをしたらほかの人に怒鳴られたりとかそんなシーンもありました。
医師や専門家たちは、とにかく外に出ないで家の中に籠ることを映画の中でも強調していました。
あと、感染が怖いから葬式が開けない。葬儀屋さんからも拒否される。そんなシーンもこの映画で描かれているんですよ。
買い占め騒動に暴動が起きて人々はどんどん本性をむき出しにしていきます。
戦うべきはコロナなのに人間同士が分断して争っている。
ゾンビ映画でもありがちな、ゾンビよりも怖いのは人間ってね。
物語の主要人物の一人ケイト・ウィンスレットがあっさりと感染して大した活躍もできずに死んでいくところが怖かったですね。この映画が凄いのは、観ている者を不安のどん底に陥れるところなんです。
リアルなコロナだってそうじゃないですか。もう、不安が尽きないじゃないですか。
この映画ではさらに数か月後も描いていてこちらはかなり怖いですね。
体育館などの施設に患者が隔離されているものの手が回らず。
あと、埋め立て地みたいなところに死体がずらりと並んでそこで埋められているんです。
2日前に遺体袋が底をつき、カナダに注文したが送ってくれないと。
なので、ビニールで巻いてガムテープで止めてあるんです。
この映画、色んなところで正確に出来事を言い当てているので、終盤のカタストロフも当たっているんじゃないかと思うとゾッとしますよ。
しかし、この映画、終盤の描きこみは甘いと思うんですよ。
ワクチンが出来たら「よかったね!いい方向に向かっていくよ」的な感じで終わるんですけど、本当の地獄ってその先にあるんじゃないかと思うんですよね。
つまり、私たちが生きているリアルの方がこの映画は凌駕してるんじゃないかなと思うんですよ。
ただ、10年前の映画がここまで正確に今の現実をシュミレートしているのは驚きましたし、それだけに怖かったですね。今だからこそ、この映画迫真性があります。
10年前だったらファンタジーに過ぎないリアルなんでしょうけど、今は、リアルが映画を超えてしまいましたからね。
★新種のウイルスの恐怖を扱った映画でエンタメ性があって面白かったのは―
「アウトブレイク(1995)」